ペンタックス オプティオA10について


OptioA10
一見オーソドックスに見えながら、飛び道具を持ったカメラ。

☆ジャンク度☆
不具合無し
撮影可能


OptioA10 OptioA10
 ペンタックスのお家芸である、スライド格納式の光学3倍ズームレンズ。
 SMCブランドが輝かしい。

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 ペンタックス初の光学手振れ補正機構登載コンパクトデジカメ。

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 初代のコンパクトを踏襲しながら大型液晶ビュワーを登載。

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 ペンタックスの特長である、アイコン型メニュー。

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 オーソドックスな操作系にグリーンボタンが目立つ。


OptioA10
 そろそろヘタリが目立ち始めたNP−40を採用。


 本カメラの登場は2006年3月である。仕様的にもサイズ的にもニコンのクールピクスP4に近い。どことなくパッケージングデザインも近い感じである。しかし、本カメラは全く別のコンセプトで形成している。クールピクスP4がスチル画像のクオリティで勝負しているのに対し、本カメラはMPEG4動画を特徴としている。なので、画質のクオリティやAFのレスポンスはクールピクスP4に譲る。恐らく、撮像素子や多くのユニットは同じだと思うのだが、育て方が違うのだな。
 とはいえ、本カメラが飛び道具だけで勝負したイロものという訳でもない。本カメラはペンタックスにとって、初めて手ブレ補正機構を搭載したコンパクトカメラである。ペンタックスの手振れ補正機構と言えば、撮像素子をシフトする独自の機構で実現しているが、本カメラも同様の技術を踏襲している。更に、最速ISO800の感度と組み合わせて、ダブルの手振れ補正を実現している。ペンタックスは後にオプティオE70のような単三電池型の廉価機にも手振れ補正機構を搭載するが、これらは電子式手振れ補正機構という簡易なもので、本カメラの本格的なギミックには至らない。逆を言うと、本カメラはペンタックスの技術を総動員して手振れ補正に取り組んだ本気カメラなのである。なのに肝心の画質がイマイチなのがチグハグで、既にペンタックスの屋台骨は悲観的だったのかもしれないな。個別の良質な技術(スキル)を持っていたとしても、統括してプロデュースできなければ「クラスで5番目か6番目にカワイイ子」を一山いくらの世の中では厳しい物があるよな。
 サイズだって、画期的な小型カメラとして登場したオプティオSと比べて厚さがやや増した程度で小型カメラのアイデンティティを継承している。エッジが丸いので、ちょっとぽっちゃりに見えてしまうが。同世代のライバルであるルミックス DMC−FX01IXYデジタル800ISに比べると明らかにコンパクトでアドバンテージがある。しかし、あまりにもスタイリングにそつがないため、印象に残らないのも事実だ。その辺もペンタックスらしいのであるが。
 撮像素子は800万画素級で大型の1.8型を奢っている。レンズは38〜114mmF2.8〜5.4と広角側が明るいモノの、レンジは凡庸である。この辺りはペンタックスとしても気合が入っているのだろう。困ったのはバッテリーでNP−40を採用している。NP−40は登場時はスリムで悪くないモノだったが、タフネスから言うとイマイチで本カメラの登場時には明らかに旧モデルだった。ジャンク拾いからすると、妙な規格のバッテリーを使用するよりも嬉しいが、そろそろNP−40の寿命が怪しくなっているので運用面で不安が残る。また、AFのレスポンスも若干イマイチである。遅いという程ではないのだが、同世代のライバルに比べるとダルを感じるな。この辺が撮像素子(CCD)センサーシフト手振れ補正機構によるものなのかはよくわからないのだが。但し、本カメラはパンフォーカスモードを搭載しており、この場合フォーカスを固定して高レスポンスを実現しているようだ。また、拙僧は使っていないがMFモードも搭載するらしい。液晶ビュワーの見え具合についても不満を掲載したコンテンツを見るのだが、拙僧はコンパクトデジカメの液晶ビュワーにそれほど期待していないので気にならないな。
               ☆          ☆
 本カメラの特長としてグリーボタンのイージーモードと、アイコン主体のユーザーフレンドリーな操作系がある。これはタッチパネルこそ非搭載なモノの、現在のスマートフォンを髣髴させるよくできたものだ。しかし、全体的にどの購買層にアクティブなのか見え辛いカメラに仕上がっているのが残念だ。
 ペンタックスも末期のカメラなので開発陣も混乱していたのだろう。

 では、撮影結果もご覧頂きたい。

(了:2015/1/10)

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