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オリンパス SP−350について


SP-350

☆ジャンク度☆
不具合無し
撮影可能


SP-350 SP-350
 ライカ判換算38〜114mmF2.8〜4.9の光学3倍ズームレンズを搭載する。


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 単三型電池2本を格納するグリップ。


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 ボディの割に大型の液晶ビュワーを搭載するが光学ファインダーも忘れない。


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 えぐるように沈胴するズームレンズ。


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 マルチモードAEとほっとシューを搭載し、上位レベルを目指している。

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 それほど合理化していない操作系は個人的には好ましい。。

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 液晶ビュワーに表示したアイコンと実際の十字ボタンを組み合わせる。

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 ちょっと立派なスピーカーを内蔵。
 電源は単三型電池2本を使用。


 本カメラの登場した2005年10月あたりのオリンパスはウィーン攻防戦で敗北して以降のオスマン帝国のように領土を割譲していた。国境を辛うじて防衛するのは簡易防水カメラのμ10デジタルシリーズと光学ズームレンズ機のキャメディアC−700シリーズくらいなもので、主戦力となるはずの一眼レフデジカメを喜ぶのはメカライターくらいなもので販売面は不振だった。オリンパスのレンズ交換式一眼レフデジカメは2003年に登場したE−1から始まっている。現在では忘れさせているが、「マイクロ」ではないフォーサーズ規格というのが存在した。これはパナソニックからも「ライカみたいだ」と某カメラ界の長老が絶賛しながらも、やはりパナソニックとしたはザクレロのように無かったことになっているカメラが存在する。E−1が売れなかったのは高すぎたからだとオリンパスは判断し、2005年1月には廉価機のE−300が登場した。これはペンタ部を持たないフラットな形状が話題を呼んだものの、販売面で成功したとは思えないな。翌年には一眼レフデジカメとしては初めてとなるライブビューの搭載でようやくコンシューマーに評価されたE−330が登場する。ちなみに本カメラと同時期にE−500が登場しているが、これがオリンパスがコダックの撮像素子を搭載した最後の一眼レフデジカメになる。拙僧は、そのコダックブルーへの期待とレンズ+2GBのxDピクチャーカード付きで2万円と安かったので確保したが、殆ど使っていない。しかし、オリンパスが屋台骨を支えるヒット作はマイクロフォーサーズのペンデジシリーズの登場を待たねばならない。マイクロフォーサーズの台頭だが、これだってパナソニックのルミックスGシリーズが先行していたと思う。
 300万画素級時代までは黄金時代を謳歌したオリンパスが、やがて勢力圏を後退させ苦しかったのが2003〜2005年あたりだと推測できる。名モデルであるキャメディアC4桁シリーズは不振で、モデル更新もやたらとμデジタルとC700シリーズが頻繁だった。不振の理由の一つはスマートメディアやxDピクチャーカードの不振で、ボディ価格を下げてもメディアが高かったので販売面では苦しい戦いを強いられていた。また、C−2000Zでヒットしたコンセプトがかなり古いものになっており、市場に響かなかったのが主要な原因だろう。オリンパスも自覚していて対策が取れなかったのか、自覚がなかったのかよくわからない。本カメラが登場時のオリンパスの主力モデル(一眼レフデジカメを除く)はキャメディアC−8080Wideだが、これは下馬評では「レンズ交換のできないE−1」等と称されたものの、実際の撮影現場ではまず見かけないモデルだった。そういう苦しい環境下で前線に投入したのが本カメラである。
 本カメラのポジションは「多機能コンパクトデジカメ」である。この冠に「高級」をつけるかどうかは意見が分かれるところだ。コンパクトなボディに高画素数の撮像素子を組み合わせ、「絞り優先AEモード」や「シャッター速度優先AE」モードといったマルチモードAE、きめ細かいAFエリアやMFモードを搭載した機能満載コンパクトデジカメである。そういう機種は過去になかったわけではない。キャメディアXシリーズがそれで、当時は奢った500万画素級撮像素子を搭載し、多彩なマニアルモードを用意していた。しかし、肝心の写りはどうかというと、どうもレンズをケチったらしく、折角の500万画素級撮像素子を生かし切れたとは言えなかった。本カメラも同様の傾向を見ることができる。高級志向で始まったXシリーズだが、急速に廉価化し、キャメディアX−100のような廉価機にシリーズ名を踏襲させてしまう。苦しいときに屋台骨を支えてくれたμシリーズももう水機能をやめてしまった時期があった。こういうことはオリンパスにはよくある傾向で、やたらと米谷氏が称賛されるけど、オリンパスっていうのは割と消費者のブランド意識を舐めている気がするな。それで痛いしっぺ返しを受けるのだが。
 何故か電源が専用リチウムから単三型電池2本になったが、本カメラは基本的にはキャメディアXシリーズの延長上にあると思っていいだろう。
                ☆                 ☆
 おそらく、多くの方は本カメラのスタイリングに対し「不格好」だと思うだろう。何故なら電池室を兼ねたグリップ部が異様にでかくで本体が楔状に極端に小さくなっている。実にアンバランスだ。単三型電池2本を収納するだけならクールピクス7600のようにスマートな(クーピースタイルがスマートかという問題はともかく)カメラはいくらでもあるから、これは多彩な機能を操作するためのコマンドダイヤルやボタン類、大型の液晶ビュワーを搭載するために必然だろう。ルックスは違和感を覚えるが、ホールディングには貢献して、ツルツルで指の引っ掛かりの悪かったXシリーズに比べればよっぽど好印象だ。
 撮像素子は800万画素級。1.8型と面積も奢っているから当時のトップモデルに準ずるポジションである。電源ボタンが異様に小さいのが気になるが大型のコマンドダイヤルが好印象である。当時のオリンパスのコンパクトデジカメの操作系は仮想十字キーというポリシーに準じていて、これは液晶ビュワーに表示した十字状に配置したメニューと十字ボタンが対になって操作するものだ。これが一般的な階層メニューとどちらが使いやすいかというと、メニューがツリー状に一覧表示する階層メニュー型の方が感覚的に解かりやすいと思うな。多分、顧客要望としても不満が上がっていたと思うのだが、かなり長い間オリンパスは変更しなかった。この辺もオリンパスらしい偏屈な態度が見れる。もっとも、偏屈なのは米谷氏なのかもしれないな。ちなみに拙僧が米谷氏の印象が悪いのはOM707の時に「素人はMFなんかできないんだからAF一眼レフカメラにMF機能は不要」と発言したことに因する。レンズはライカ判換算38〜114mmF2.8〜4.9の光学3倍ズームレンズを搭載する。ライバルのパナソニックルミックスDMC−FX9が手ぶれ補正機能付きのバリオエルマリート35〜105mmF2.8〜F5を搭載するのに対し、ちょっと物足りないレンジである。本カメラを紹介したコンテンツではレンズの評判が悪い。どうも収差と周辺の流れがイメージサークルが足りないのではと思えるほど悪いらしいのだ。PCで画像を拡大するとそうなのかもしれないが、拙僧はたいして気にならないな。レンズは沈胴するとちょっと過剰なくらいに引っこみ、本カメラの不細工さを強調する。吉本芸人の隅田さんを思わせるな。いや、別に隅田さんが不細工と言いたいわけではない。
 本カメラの最も批判されるのは電源である。本カメラは既に少数派なった単三型電池を採用するが、これがちょっとでも消耗するとすぐに撮影できなくなるというのだ。これはハードウェアを原因とするのではなく、ソフトウェアの電池管理によるものらしい。現に、後のバージョンアップではかなり改善したようだ。拙僧はそれ程ひどいとは思わなかったので、バージョンアップした個体だったのとエネループが優秀なのだろう。2005年時の充電式単三型電池では使い物にならなかったそうで、多分それは事実だろうから腹立たしい思いをした方は多いだろう。使い捨てのCR−V3では安定的に動作したらしいのだが、それではコスト高だ。充電式のRVR−V3という電池もあるらしいのだが、ちょっと怪しい感じだな。それに本カメラの為だけに確保するのは考え物である。
 本カメラの売りに画像のRAW形式での記録がある。フリーソフトだったころのSILKPIX3.0で現像できるそうだ。拙僧はそんな面倒なことはしたくないので使わない機能だな。ホットシューを搭載し外部フラッシュも使用できるが、本カメラで本気で外部フラッシュを使う需要があるのだろうか。需要といえば光学ファインダーを搭載する。個人的には嬉しいが、何しろルミックスDMC−FX9の時代のカメラだから液晶ビュワーを消して光学ファインダーで撮影する方は極めて稀だっただろうな。他にもこのクラスとしては珍しくバルブを搭載する。しかし、レリーズケーブルを使うことはできないし、それなりのリモコンがあるわけでもないので、実際には三脚の上から押し付けるようにシャッターボタンを押し続けるのだろうか。どうも、コンセプトがルックス並にちぐはぐなのだが。
                ☆                 ☆
 SP‐350という命名は、かつてのフィルムカメラ「35SP」を思わせるところがある。35SPは当時のプログラムAEオンリーが主流だった距離計搭載型レンズシャッター機にマニアル露出設定機能を搭載した上級機だった。どこか本カメラのポジションとして似通ったところがある。しかし、優秀なレンズを組み合わせ、現在でも銘記として称される35SPに比べると本カメラは食い足りないとしか言えないよな。μデジタルしかり、後裔のペンデジやOM−Dのようにフィルム時代のブランドを引っ張り出すのはオリンパスの傾向である。流石のオリンパスも過去の栄光を現在のデジカメに冠するのは慎重で、多くの場合は成功するのだが本カメラでは中途半端に終わったようだ。もっとも、当時のオリンパスのやることは何もかもが中途半端だった。
 現在ではペンデジで大規模のフォロワーを形成している。しかし、「宮崎あおい」さんをイメージとしてヒットしているペンデジだが、カメラ女子からは「そろそろちゃんとした一眼レフ(デジカメ)が欲しい」という話をよく聞くし、あまりうかうかしていられないんじゃないかな。同じマイクロフォーサーズ陣営のパナソニックのシリーズ展開の多さもどうかと思うが、パナソニックの膨大な市場ノウハウからして画期的な動画撮影とか小さいだけではないコンパクトモデルの付加価値とか、その気になれば展開を狭めて先鋭突破するのは簡単だろうからな。
 かつては4強と呼ばれた伝統的光学機器メーカーの中でミノルタは消滅してしまったり、ペンタックスはリコーに吸収されてしまった。ペンタックスの事後は幸せのようで着実にフォロワーを形成しているのが幸いだが、オリンパスはバブル期の会計処理の不正が今でも解消しておらず、案外地盤は確固としていないのかもしれない。
 古くからの伝統的光学機器メーカーとして頑張って欲しいものである。

 では、撮影結果(豊川稲荷祭り編)もご覧いただきたい。

(了:2015/12/19)

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