2002年10年に登場した本カメラは、約1年前に登場した
パワーショットS40のマイナーチェンジ版である。若干の意匠が変更になっているが、殆ど見分けは付かないな。パワーショットS40がハイエンドモデルの
パワーショットG2と同時に登場したように、本カメラもパワーショットG3とほぼ同時期に登場した。デジ一眼レフがコンシューマに手が届くEOSキスデジが登場するのが、2003年9月だから、パワーショットGシリーズが担うニーズは大きかった。既に、ニコンは2001年12月に気合を入れたクールピクス5000で500万画素級のハイエンドモデルを投入していた。本カメラの登場の翌月、事実上のライバルとしてオリンパスから登場した
X−2も500万画素級の撮像素子を搭載している。パワーショットG3は400万画素級で、その麾下に位置する本カメラも400万画素級の撮像素子を搭載している。そういう意味で言うと出遅れ感があるが、クールピクス5000は少々粗削りだと評価を受けているし、X−2は何かと足りないカメラだから、すなわちキヤノンが迂闊だったとは言えないな。ただ、パワーショットG3は使ったことが無いので評価できないが、本カメラに関しては大して前作と変わった様子はない。2002年に登場したパワーショットSシリーズは本カメラだけなので、どちらかというと政治的な事情で登場したカメラなのではないだろうか。
割と大きな改良点は3点だった測距点が9点になった。それでAFが賢くなったという実感は無いのだが、ひとまずスペック的にはパワーアップだ。あとは使い辛かった十字キーの意匠が少々変更になったが、格別操作性が向上したとは思えないな。ユーザーインタフェイスも変更になったようだが、拙僧のようにとっかえひっかえ色んなカメラを使っていて認識できるほどの変更ではないな。何でも露出補正がやり易くなって「露出補正至上主義派」が喜んだらしいのだが、拙僧はそんな面倒なことしないしねえ。
☆ ☆
本カメラの登場から半年もしないうちに、500万画素級の撮像素子を搭載したパワーショットS50が登場している。ほぼ、金型も踏襲しているな。
本カメラは使っていて特に不便は無いのだが、パワーショットS40から1年を経過した進歩も感じないな。キヤノンとしては本命はEOSキスデジであったし、実際にEOSキスデジはニコンD70と同様にコンシューマ層のデジ一眼レフ化のマイルストーンとなった。キヤノンとしても資産をパワーショットSシリーズなんかに割く余裕は無かったのだろう。
気になるのは、拙僧の個体と同様にスライド式レンズカバーの破損を報告したコンテンツが見られることだ。まさか、キヤノンも素材をケチったとは思わないのだが。
では、
撮影結果を見て頂きたい。
(了:2013/7/31)