☆ジャンク度☆
電池蓋破損
撮影可能
ブランド無銘の光学3倍ズームレンズを登載。
ひとまず600万画素級撮像素子を登載。
穏やかなグリップが効果を発揮。
単三型電池のデジカメとしてはバランスよくまとまってる。
操作系は常識的。
カシオというのはデジカメ界では微妙なポジションではある。
普及機としては大きめの液晶ビュワー。
光学ファインダーの登載がひとまず嬉しい。
カシオ錦のベストショット機能。
ショートカット起動がカシオの長所。
電池蓋破損は旧いコンパクトデジカメの共通の弱点。
電源は嬉しい単三型電池2本。
最早は伝説となったデジカメを世に普及するパイオニアとなったのが名機QV−10である。伝説の話なのでQVというブランドを覚えている方も少ないであろう。カシオのアドバンテージは、その後はQV−11といったあまり変わり映えの無いシリーズを展開して画質競争に敗北し、かなりマイナーなポジションとなってしまった。起死回生の「着るカメラ」というコンセプトの画期的なスリムでカードサイズボディのエクシリムEX−S1でニッチな市場を確保し、その後はメインシリーズもエクシリムブランドに遷移する。QVブランドは単三型電池を採用するベーシック機として生き残るのだが、それも本カメラの登場した2004年に絶えてしまう。QVブランドのラストを飾るのが本カメラだ。
☆ ☆
撮像素子は1/1.8型600万画素級である。レンズはライカ判換算で39〜114mmF2.8〜4.9の光学3倍ズームレンズを搭載。なんだか中途半端なスペックだが、要するに2003年に登場したQV−R40を600万画素級撮像素子に換装したのが本カメラである。2004年の時点で600万画素級撮像素子は立派だし、単三型電池使用としてはそこそこタフでレスポンスもイイのだが、これと言って本カメラを積極的に買いたいという魅力には欠けている。こういう廉価な実用カメラは北米で評価は高いから、英語のコンテンツがそこそこヒットする。連中はルミックスDMC−FX9が買える程、裕福じゃないしな。
QVブランドの最後を飾るカメラは地味な存在だが、これも時代の変ぼうであろう。2004年にもなるとコンパクトデジカメ市場はレッドオーシャンであり、地味で普通、そして安いカメラだと商売にならなくなっていた。カシオは独自の切り口で現在もデジカメ戦争で一定のシェアを獲得しているのだが、普通のカメラに見切りをつけたのは経営判断としては適切だった。その最後のモデルにQVを冠したのも、一種の愛情なのかもしれないな。